本校は、平成4年4月に開校して以来、844名の卒業生を看護師として送り出してきました。
「生きがいのある幸せな人生を過ごすこと」、これはいつの時代においても誰もが望んでいることです。人間が人間らしく生きるためには、まず健康でこころ豊かでなければなりません。このことに貢献できる看護師を育成することが本校の目的です。
現在、医療をめぐる環境は急速に大きく変化しています。生活習慣病と呼ばれる慢性疾患を患った人々や高齢者が増え、在宅ケアへのニーズがますます高まってきています。
一方、医療は高度で複雑になり、専門化され、看護は従来以上に緻密な観察力や的確な判断とともに熟練した技術が必要とされ、人々から安全で満足のいく医療・看護を提供するように求められています。さらに、病に苦しむ中で不安や悩みを緩和してくれる精神的なケアが強く望まれています。
本校は精神科を専門とする小阪病院を母体としております。皆さまは、人間愛の精神に支えられたこころのケアが行え、科学的な根拠に裏づけされた知識と技術を土台にして自分自身で考え、正しい状況判断に基づいた看護が実践できる能力を身につけてください。
命の大切さと人としての尊厳を守り、優しさと思いやりをもった行動がとれる専門職としての看護師をめざして欲しいと思います。専門職とは、高度な技術、知識を身につけ、主体性をもち、社会に尽くす人々です。
世の中には楽しいこと、面白いことがたくさんあります。この中に新たな知識との出合いがあります。看護学校での生活は、この新たな出合いの連続です。どうか、新鮮な気持ちで新たな知識との出合いの楽しさ、面白さ、喜びを味わって行ってください。これらの知識は皆さんが目指している看護師になるために絶対に必要なものです。
しかし、三年間の学生生活では思い通りにならなかったり、困難に出遭ったりして悩むことも多いかと思います。挫折を味わうこともあるかもしれません。そのような時には、同じ専門職を目指す者同士、心を開きお互いに支えあい、看護学生として心身ともに充実した学生生活を送るようにしてください。われわれ職員はできる限り支援していきます。
看護師になるという目標を決して見失うことなく、自ら積極的に学ぶ姿勢で日々の学業に励むとともに自律した人間として成長していってください。
これから、皆さまによって小阪病院看護専門学校の新しい歴史が始まります。皆さまがどのようなページを書き足すのか、私たちは今から楽しみにしています。看護師になるという素晴らしい夢を実現できるよう着実に歩んでいかれることを祈っております。